利益を蝕む不適合撲滅戦略
<不適合(不良)発生の影響>
ただでさえ利益の薄い今の時代、利益を蝕んでいるのが不適合(不良)の発生です。材料のムダ、加工のムダ、残業・休出などの人件費のムダ、対策会議のムダ、出張費・輸送費のムダなどはある程度計算が可能です。しかし実際の損失金額は、計算可能な費用のおよそ4倍も費やされているのです。
更にお客様の信用失墜となって跳ね返り、失商、そして業績不振という重いツケが回ってくるのです。正に不適合(不良)の発生により、会社が倒産に至ることさえもあるのです。
<段取り検査の励行>
不適合(不良)の発生は、段取り検査の良し悪しで大きく左右されてしまうというのが長年の経験から得た私の主張です。にもかかわらず多くの企業では、この段取り検査の確認を省略して本番加工に入ってしまい、大きな失敗コストを発生させているのです。
<適切な頻度での中間検査の励行>
段取り検査合格で本番加工に移行したならば、次に適切な頻度での中間検査が必要です。30分ごと、1時間ごとというように一定の時間で管理するか、100個ごとにというように一定の加工数で管理する必要があるのです。なぜなら時間とともにマシンや刃物のコンディションが変化したり、あるいは材料の品質特性が変化する恐れがあるからです。そして最終個の検査で締めくくるのです。始めよし、中間よし、最後よしならば不適合(不良)が発生する確率は極めて小さくなるのです。
<品質保証としての情報検査>
不適合(不良)を発見した人は、直ぐに加工を中止させ、直ちに前工程の担当者と上司に報告し、原因を究明し、原因を取り除くのです。つまり不適合(不良)を発生させないための情報のフィードバック機能を持った検査、言ってみれば不適合(不良)を発生させないための「情報検査」が早期対策に効果を発揮するのです。後で不適合(不良)を発見してもそれは「死亡診断書」なのです。
<動機的原因追及お勧め>
「不適合(不良)発生の原因」には「直接原因」と「動機的原因」の2つがあります。「直接原因」の追究だけでは不十分なのです。引き金になった根っこの原因である「動機的原因」を追究して再発防止対策を講じなければいずれ再発してしまいます。彩愛コンサルピアでは、不良対策の進め方、本質に迫った問題解決の進め方について実践的に支援いたします。